お疲れ様です!とーやです!
「やりたいんだけど、時間がなくて」。皆さん、この言葉を今週すでに一度は口にしていませんか?私の周りでも毎日聞きます。出ます。職場に出て、スタジオに出て、飲み会にも出ます。あんまり出るので、私はこいつを「時間がないお化け」と呼んでいます。お化けなので足はありません。でも口だけは達者です。
『壺と岩の小話』をご存知でしょうか。大きな壺に、まず握りこぶし大の岩をごろごろ詰めていく。「壺はもう満杯か?」いえ、まだです。岩のすき間に砂利が流れ込みます。「今度こそ壺は満杯か?」まだです。砂利のすき間を縫って、砂がさらさらと沈んでいく。この小話は要するに大事な大きな岩ほど先に入れなさい、砂利や砂のようなどうでもいいものから詰めたら岩はもう入らないよ、というやつです。砂で満タンの壺の前で、岩を抱えて立ち尽くすなというありがたい小話です。この話は私にもしっくり来てるのですが、その一方で、岩の厳選が超難しいという実感があります。
「時間がない」の正体と、「できません」の言い方。今日はそんな話をしていきます。
「時間がない」は、嘘です
ここ最近、私はダンサーのみならずいろんな方とお話しする機会があるのですが、必ずと言っていいほど「時間がない」という言葉を耳にします。「ダンスやりたいんだけど、仕事が忙しくて」「子供もできて忙しくて」。で、私の返事はいつも決まっています。「ふーん、そうなんだね、まあしょうがないよね」。角を立てず、深追いもせず、にこやかに次の話題へ。なんということでしょう。実に円満な大人の会話ですね(ニッコリ)。
それでいて、腹の中でも「……本当に、しょうがないと思うよ」と同じく繰り返しています。だって、仕事を優先する、家族を優先する、その優先順位を決めたのは、他の誰でもないあなた本人ですよね。誰にも宣言せず、人知れず、でも確実に決めている。だったらもう、それはしょうがないです。あなたの無意識が優先順位を決めて行動に出ているんです。自分で決めた順位の通りに人生が進んでいるだけなんだから、本当にしょうがないと思いますよ(二回目)。
あえて聞こえ悪く言うのなら、「〇〇する時間がない」は言い換えると、「〇〇は私の人生の優先順位で低いです」と自分で言っているのと同じなんです。先に釘を刺しておくと、優先したものを否定する気は1ミリもありません。仕事が優先、家族が優先。どちらも立派な順位です。その順位で生きているなら、ダンスに時間が回ってこないのは当然の結果で、恥じることも謝ることもない。それでも、本当にやりたい気持ちがあるなら、どう並行するかを一緒に考えたい。「選んだ道だからしょうがないよね」で切り捨てる冷たい奴には、私はなりたくないんです。
じゃあ、忙しいこと自体が罪なのか。違います。社会の仕組みとして、市場が成長すれば人間は勝手に忙しくなっていくものです。罪は、動かせない事情はあるにせよ、動かせる範囲を見もせず、棚卸しもせず、優先順位と向き合いもせず、「時間がない」の一言で処理していることです。この「棚卸し」とは、自分は今なにがどれだけできていて、できてないかを具体的に見る作業のことです。何かを選んだ瞬間、選ばなかった何かは、その時は手放しています。その手放した自覚から目をそらして、「ない」ことにするから言葉がねじれるんです。時間は、あります。あなたがその活動に回さないだけです。「時間がない」は、優先順位を口に出したくないだけ。
全部できるわけ、なかろう
と、偉そうに書いている私の先週の活動状況を白状します。私自身、やりたい・やるべきタスクをリストにして、毎週一回棚卸しをしているのですが、その内訳としては抱えていたタスク73件に対して、完了は9件。達成率12%で翌週への持ち越しは64件です。73件てやばくね?誰かに押し付けられたわけじゃありません。全部、自分で「やる」と抱えた岩たちです。それでこの打率です。ちなみに先週の活動時間を全部足すと78.8時間でした。通常のサラリーマンの残業なしの労働時間で週に40時間と考えると、これではタスクで腹を満たす妖怪です。容量は決まっているのに、入れたいものだけが膨らんでいく。毎週棚卸しをやっている人間ですら、これなわけです。
岩を先に入れる。ここまでは正解です。でも、岩が全部入るわけじゃありません。優先順位の高い岩から順に入れて、どこかで必ず打ち止めが来ます。73件の岩に対して9件しか入らなかった男が保証します。入りません。
「全部やろう」が、全部を殺すのです。
全部やろうとした瞬間、一つひとつに回る容量が薄まって、どれも中途半端なまま止まります。私の繰越64件は、抱えた量と入る量の不均衡の実測です。この不均衡に、根性は勝てません。
「そんなこと言っても仕事が!」という声が飛んできましたね(幻聴)。本当にやりたい仕事なら、私は何も言いません(本当にやりたいならね☺️)。その岩は堂々と壺の底に置いてください。問題は、やりたいわけでもないのに、なんとなく壺を占領している、頼まれただけの仕事や惰性で続けてる集まりの方です。私の場合は、友達との交友関係や飲み会にイベントなど、一旦ワキに置いておくこともあります。最初は結構勇気のいることでしたが、一旦降ろした岩は消えません。また入れたくなったら、その時の壺と相談して入れ直せばいい。入れっぱなしのまま何年も放置される岩は気づいたら風化しているかもしれません。
あなたを、棚卸ししよう
で、どうやって降ろす岩を見極めるのか。それこそ棚卸しで見えてくるのです。私の実物をそのままお見せします。
私の棚卸しは、日次と週次の二段構えです。まず日次。毎朝、手書きのメモから1日を始めます。書くのは固定3項目。①昨日良かったこと、②昨日の気づき、③今日やりたいこと。書いたらAIに渡して、AIが機械的に積み上げているタスク一覧と、手書きの「やりたいこと」の差分を突き合わせます。
週次は大きい棚卸しです。先週は、ずっと置きっぱなしだったタスク5件(仕事・ダンス・税金関連)をおてあてして、完了化が1件、継続が3件、破棄が1件(安らかに眠れ)でした。来週は1日1テーマに絞ります。
ここまでやると、「できません」が言えるようになります。予定と実績の差を見返すと、やりたいことに使える時間と、自分本来のキャパが見えてきます。そのキャパ以上にタスクが乗ってきたら普通に言うんです。「それ以上乗っかるものは、もうできません」。乗せるなら交渉します。「工数これくらいかかるんで、こっち後回しにしていいですか」。言ってはいけないのが「頑張れば」「どうにかすれば」。頑張れば乗るかどうかは、本質的な話じゃないからです。「そう言うと嫌われないか?」心配になると思いますが、実際は逆なんです。真面目な理由を添えて断ると、相手はこちらの状況が見えるから交渉がしやすくなります。円滑な人間関係は、曖昧な「どうにかします」の上ではなく、正確な「できません」の上に建ちます。
断る時には理由を添えないパターンもあります。ありがたいことにレッスンやナンバー出演のお誘いは多いんですが、今の私の壺には入らない(重要ではない)ので、「今はちょっとそういう気分じゃないです」とそのまま言います。行けないものは「ちょっとごめんね、行けないな」だけ。逆に、一番やってはいけないのが「スケジュール的に厳しくて」です。空けば行けるよね、と判断される余地を残すからです。誘いを断るのに理由は要りません。やりたくない、行きたくないで結構なんです。そもそも人間もっと気分で判断したっていいはずです。
案外、人にちゃんと言わないと伝わらないんです。察してもらうのを待つ時間より、棚卸しの結果をそのまま口に出す一言の方が、よっぽど早くて、よっぽど誠実です。
最初の一歩は、二つだけ。今夜、抱えてるものを全部書き出して並べてください。スマホのメモでいいです。そして明日、どう見ても入らない1個に「できません」を言ってみる。それだけです。
自分を棚卸しできた人だけが、「できません」と言えるんです。
だから私は、今日も終わってなくても帰れます(帰ります)。
まとめ
改めて、本日のまとめです。
- 「時間がない」は、優先順位のすり替え。棚卸しはちゃんとできてるか。
- 全部やろうは結局中途半端になっちゃう。
- 自分を棚卸しした人だけが、真の意味で「できません」と言える。
時間がないお化けの正体は実は鏡に映った自分だったというオチだったようですね。念のため添えておくと、この理屈は他人を裁く道具じゃありません。向けていいのは、鏡の中の自分だけです。今日、「できません」を1個だけ言って、終わってなくても帰ってみてください。大丈夫、帰れます。降ろした岩は、逃げません。
こういう記事を書くと、「それは仕事も楽で子供のいない、あなただから言えることであって私はそうはいかない」と丁寧にフィードバックしてくださる方もいらっしゃいます。ええ。あなたの言うとおりです。私の今の環境だからこそ成り立っているところも大きいでしょう。あなたと私は違うから参考にはならないでしょう…
で、どうしますか?あなたと私は違うから無理!で終わりにしときます?私は一向に構いませんよ?あなたがどうなろうと。
環境や考え方の違いは当然ありますし、文句も出てくると思いますけど、建設的に一歩先へ進まなきゃ何も解決しませんよね。立派な大人のあなたならそんなことくらいわかりますよね😌
大丈夫。私ですらまともにできてないんですから、一歩ずつ着実にやっていきましょ。
最後までご精読いただきありがとうございました!
