こんにちは!とーやです!
皆さんはプリキュアを見ていますか!?
見ていない!?残念ですね!
普段、アニメをほとんど見ていない私ですが、ことプリキュアに関してだけはアニメ、映画、なんなら小説も読んでいるほどのファンです。プリキュアの大人ファンを『大きなお友達(略称:大友)』と界隈では呼称するのですが、それは私のことです。「プリキュアって女の子が見るものでしょ〜」と言われる方もいらっしゃると思います。そうです。正解です。大人が時間をかけてまじまじと見るようなものではありません。これでブログを終えてもいいくらいです。
ですが、プリキュアのターゲット層は女児に限らず、女児と一緒に視聴する親にもフォーカスを当てています。よって大人でも楽しめるようなシーンも結構あるんです。私はプリキュアが可愛い格好に変身して敵と戦う姿も大好きなのですが、それ以上に学びを得られる教訓がたくさんあるところも大好きです。心理学、脳科学、行動経済学の観点から人間の苦悩と自己実現を、可愛い女の子たちや妖精を用いて間接的に描いている素晴らしい作品であると私は確信しています(早口)。
そんなプリキュアで描かれている悩みと成長の追体験は、大人こそ見るべきコンテンツなのではないかと考えています。さっきの撤回していいですか。プリキュアは大人が時間をかけてまじまじと見るべきなんです。
こうは言ってますが、「プリキュアからの教訓とかなんの役に立つんだよ」と思ったことでしょう。ご心配することなかれ。本ブログを読んでいただいているダンサーや社会人の皆さんには、何かしらの目標や悩みがあると思います。それらと向き合っていく上で何かしらのヒントを得られるのがプリキュアです。自分の現状と重ね合わせて見ることができるのがプリキュアです。
今回は社会で自身の個性を活かして活躍する皆さんに、プリキュアの素晴らしさを誰に頼まれたわけでもなく私が淡々と語っていく記事になっています。プリキュアシリーズはかなりの量があるので、私の主観で厳選したシリーズについてランキング形式でTOP5をご紹介いたします。ランキングをつけるなんて本来おこがましい行為です。全てのプリキュアにそれぞれの良さがあるのに序列をつけるなんてあってはなりません。しかし、そうでもしない限りこの記事が永遠に投稿されないと思い、苦渋の決断で順位をつけさせていただきました。ここで筆者に対して一定の恐怖を感じた人はブラウザバックを強く推奨いたします。
※なお、本記事では作品の魅力を最大限お伝えするためにプリキュアシリーズの画像を使用しています。各画像の著作権は東映アニメーション及び関連権利者に帰属します。権利者様からのご指摘があった場合は速やかに記事削除等の対応をいたします。
第5位:スマイルプリキュア

ギャグ全開!笑顔の可能性を最大限に伝える!
数多のプリキュアシリーズの中でひときわ異質な作品であるスマイルプリキュア。正直に言うと、この作品は深い考察をするようなタイプの作品ではないです。基本的にギャグ回が多く、子供向けのわかりやすい面白さもありながら、大人も思わず突っ込みたくなるシュールな笑いも散りばめられており、良い意味で何も考えずに見られる仕上がりとなっています。
プリキュアシリーズには、学園生活があって、友情があって、シリーズによっては恋愛要素もあるという、ストーリーにお決まりのテンプレがあります。スマイルプリキュア(以下、スマイル)もその基本線は踏襲していますが、日常生活への比重の掛け方があまりにも強すぎる。日常パートにお腹いっぱいになるまでギャグを入れ込んで暴れてきます。戦ってるよりふざけてる時間の方が長いくらいです。この歴代シリーズに対しての型破りさが、今作の最大の魅力です。スマイルは東日本大震災の翌年に制作されたこともあって、「笑顔」を軸にした作品にしたかったと言われています。
本作をランクインさせた理由は、スマイルが「笑顔」というものの考え方を、大きく二つに分けて教えてくれる作品だからです。
くだらない日常から生まれる笑顔
なんでもない日常の会話のボケとツッコミ、どうでもいいことで盛り上がる放課後。突拍子もないセリフで笑ってしまうこと。
典型的な例が第13話『修学旅行!みゆき、京都でドン底ハッピー!?』です。主人公のみゆき(キュアハッピー)たちが修学旅行で京都に行く話なのですが、ボケのテンポ感が凄まじすぎて見てる側が息切れを起こします。しかも、子供向けにわかりやすいギャグだけではなく、表情や仕草、間の取り方にじわじわ感を与えてくる。「そうはならんやろ」のオンパレードで目が離せません。
このしょうもなさが、疲れた自分、必死になっている自分を一呼吸おいて笑顔にしてくれます。ちなみにこの回、終盤には「どんなに運が悪くても、考え方と周りの人間次第でどうにでもなる」というメッセージも忍ばせてきます。ギャグ回のくせに。
辛いことを乗り越えた先にある笑顔
家庭の事情や人間関係、将来への不安が渦巻くなかで、それを乗り越えた、動き出したことによって得られる笑顔がそこにはあります。
この例が第18話『なおの想い!バトンがつなぐみんなの絆!!』。校内トップクラスの俊足である緑川なお(キュアマーチ)を筆頭に、プリキュアメンバーが体育祭のリレーに挑みます。運動が得意な子も苦手な子もいる中で、なおは一度決めた目標を最後までやり遂げる性格で、チームの結束を高めていきます。
この回で刺さるのが、黄瀬やよい(キュアピース)がクラスメイトに「黄瀬でしょ?」「大丈夫なの?」と言われるシーンです。運動に自信のないやよいには、これがたまらない。頭の中でぐるぐる考えてしまって、そのまま体育祭当日を迎えてしまいます。
でもこの言葉、よく見ると悪意があったわけじゃなくて、「大丈夫かな」という心配だった可能性がある。実際、やよいが走ってる時に「頑張れ!」って声をかけてるのもその子たちなんですよ。
言った側に悪気がなくても、受け取った側が悪口だと感じてしまったら、もうそれはその人の中では悪口になってしまう。そしてそう捉えてしまった以上、不安でぐるぐるするしかない。この描写、子供向けアニメとは思えないくらいリアルです。人間関係でこういうのありませんか?
そんな辛い気持ちを抱えながらも、リレーを走り切った先に待っている笑顔と、集まってきてくれるクラスメイトの存在。成果が出なかった時に、周りにいてくれる人間の大切さ。これを笑いの多い作品の中にさらっと入れてくるのがスマイルプリキュアのずるいところです。最高か?
まとめ
笑顔でありつづけることの大切さをギャグでも生き方でも表してくれる。主人公のキュアハッピーはその名の通り「ハッピー」を体現してるキャラなんですが、笑顔だからハッピーになれるのか、ハッピーだから笑顔になれるのか。スマイルプリキュアはその答えを、理屈じゃなくてノリと勢いと人間のコミュニケーションという直感的なメッセージで叩き込んできます。
きつい時、寂しい時こそ、自分から笑顔を作ることで幸せホルモンが分泌されるという話があります。笑顔は結果じゃなくて、状態そのものがすでに良いこと。今の時代、刺激がすぐに得られるショート動画やわかりやすいコンテンツに目が向きがちですが、それは笑顔というより「刺激に対する反応」に近い。何か目標を決めて、そこに向けて走って、結果を手にした時の笑顔の方が圧倒的に質が高いです。そしてその過程にある「くだらない日常の笑顔」が、振り返ってみるとかけがえのないものになっている。
ちなみに私の推しはキュアサニーです。関西弁でお好み焼きを作るのが得意でバレーボール部。髪もそんなに長くない。基本ツッコミ担当なのに、たまにボケ倒すこともできるあのバランスがたまらないですね。すこ。
笑顔の大切さを今一度考えることのできる作品であると思います。
第4位:トロピカル〜ジュ!プリキュア

今一番大事なことをやる!行動することは美しい!
この作品の主人公、夏海まなつ(キュアサマー)は「今一番大事なことをやる!」をモットーにとんでもない行動力で突き進んでいきます。転校先でいきなり「トロピカる部」というわけのわからない部活を設立して、周りを困惑させながらも、学校行事に片っ端から顔を出していく。目的の詳細が固まっておらず突っ走っていくその様は、若干のADHD味を帯びているのも彼女の魅力です(褒め言葉)。
劇中で多用されるまなつのセリフに「トロピカってる!」という言葉があります。最初はふざけてるのかなと思ってました。なんやねん。トロピカってるって。でもよく見ると、これって「その人が輝いてる状態」を指していると私は解釈しました。適性のあることに全力で、遊ぶようにやってる状態。やらされてるわけでもない、やりたくないことを我慢してるわけでもない。やりたいと思ったことに全力をかけて楽しんでる。それが「トロピカってる」ってことなんだと思います。
そしてまなつの周りにいる涼村さんご(キュアコーラル)、一之瀬みのり(キュアパパイア)、滝沢あすか(キュアフラミンゴ)たちは、それぞれ自分の過去を背負って立ち止まっている状態から、まなつの行動に引っ張られて一歩踏み出していく。自分の過去にとらわれて動けない人が、誰かの全力に触れて動き出すっていう構図がとても好きです。敵がやる気を奪っていく「ヤラネーダ」、ボスは「あとまわしの魔女」。今一番大事なことをやるというモットーとは対極にある敵の構図も見事です。
本作をランクインさせた理由は、「行動すること」の大切さをあらゆる角度から見せてくれるところです。ここでは特に刺さった2つの回をピックアップします。
最初の一歩を踏み出す勇気
第39話『みつけて!さんごのきらめく舞台!』。読者モデルに憧れていたさんごがモデルオーディションに挑戦する回です。得意のメイクで審査を次々に通過していく中、待合室で隣の候補者のメイクがうまくいかないのを見て、さんごはその子のメイクを代わりにやってあげます。オーディションで、同じ候補者はライバルなのに。
ここで刺さるのは、ライバルにメイクをするという行動そのものです。自分の得意なことを、相手に勇気を持ってやってあげることで、本当にやりたいことに気づく。さんごは自分が輝くことではなく、誰かを輝かせることが自分の本質だと確信します。
こうやってブログを書いているのも似たところがあります。もともとは人見知りな自分が「相手に嫌われたらどうしよう」と悩んでいたけど、自分の気持ちをストレートに伝えることで、誰かの助けになっていると気づきました。最初の行動に起因して今がある状態なんです。リスクを取って「今自分が一番大事だと思うこと」をやり遂げるその姿勢は、勇気をもって行動することの後押しをしてくれます。
行動の積み重ねが過去の挫折を超える
第28話『文化祭!力あわせて、あおぞらメイク!』。文化祭でトロピカる部がメイク教室を出す回です。本来はまなつとローラ(キュアラメール)が取材を受ける予定が、不在になったことで引っ込み思案なみのりが代役を務めることに。メイクにも積極的でなかったみのりが、堂々と取材をやりきる。そこから、かつて自分の書いた文章が恥ずかしくて文芸部をやめた過去と向き合っていきます。
この回の核心は、行動が経験を生み、その経験が次の行動への後押しになるということです。人はわからないものには否定的になる本能が備わっています。知識や経験が不足している状態では、どうしても尻込みしてしまう。でもこの知識や経験は、行動からでしか得ることができません。みのりはトロピカる部やプリキュアを通して様々な経験を積み、そこから過去の挫折と向き合い、再び動き出すようになりました。
行動する前にまず勉強しよう、まずはインプットしようという姿勢は一見正しく見えますが、実際は逆です。わからなくても一旦行動してみて、体感したものをもとに足りないものを補っていく。私自身、中学2年生のときに勇気を持って受講したロックダンスレッスンがきっかけで、ロックダンスを体感して「もっとうまくなろう」と思いました。そして今の今まで続けています。
まとめ
「行動力って言われてもね」と思う人もいると思います。半信半疑なのは分かります。でも、行動量の差が経験の差を生むのは事実です。だから一旦やってみてほしいです。
もちろん失敗する可能性はめちゃくちゃあります。というか、失敗することの方が多いです。でも実際やってみると、失敗って思ってたほど大したことないんですよ。そして一度失敗すると、次に失敗するハードルがどんどん下がっていく。失敗のラインが下がると、行動のハードルも下がる。この循環が回り始めたら、もう勝手に動ける人間になってます。
行動に一歩踏み出せない人にこそ、トロピカル〜ジュ!を見てほしい。アニメの中で描かれているのは、世界を救うような大層な決断じゃなくて、コンビニで買うものを変えてみるとか、誰かの小さなお手伝いをするとか、そういう小さな一歩です。小さなことからでいい。まなつだって、最初にやったのはわけのわからない部活を作っただけです。
あとシュールな笑いが多いのもこの作品の特徴です。必殺技がいちいちダサさに振り切っていたり、キュアパパイアがパパイア食べたことなかったり、妖精のクルルンはプリキュアシリーズでも類を見ないほどのド無能だったりと、そこもぜひチェックしてほしいです。
第3位:ひろがるスカイ!プリキュア

王道ヒーローものストーリー。それがいい。
プリキュアシリーズには、学園生活、友情、恋愛を通してプリキュアとしてのあり方を学ぶというテンプレがありますが、ひろがるスカイ!に関しては、他シリーズに比べて勧善懲悪にかなり比重を置いている作品です。あくまで「ヒーローであること」がメイン。もちろん学校行事や家族愛の描写もあるんですけど、そこが中心じゃない。ヒーローとしてどうあるべきか、どうやって人を救うのか、どうやってなりたい自分になるのか。そこにまっすぐ向き合ってる作品です。
本作で見るべきところは、自分の役割を全うすることこそがヒーローであるということです。
誰一人として同じ役割の人はいない
それを最も体現しているのが、プリキュアメンバーの多様さです。主人公のソラ(キュアスカイ)は正義のヒーローを目指すスカイランド人。主人公の相方的存在であるましろ(キュアプリズム)はスカイランドと人間のクォーターであり、なんでも器用にこなして、自身の才能を探していきます。ツバサ(キュアウィング)はプニバード族という飛べない鳥であり、空を飛ぶことに憧れ航空力学を熱心に学びます。あげはさん(キュアバタフライ)は18歳の新成人で、保育士を目指す世話焼きなお姉さん。プリンセス・エル(キュアマジェスティ)は未来を託された異世界のお姫様。
他プリキュアシリーズでも異世界人や妖精が仲間になることはありましたし、それぞれの夢を持って邁進する回は存在します。ですが、それらはあくまでキャラ付けとしてのステータスの扱いにとどまっていました。ひろがるスカイ!はここまでメンバーの出自がバラバラで、それぞれのバックグラウンドが違うからこそ、それぞれが描くヒーロー像も違う。各々の得意分野があって、各々のヒーローのあり方がある。プリキュアのあり方がそれぞれの専門性を兼ね備えているという点が本作の特殊な部分であり、個性の尊重がそのまま作品の構造になっています。
作中では、わかりやすく人助けをする行為が「ヒーロー」的な解釈とされますが、広い意味で捉えると、現実社会に関わる皆さんも、ヒーローであるというのを示唆しているのではないかと感じています。社会貢献という観点でみれば、仕事をしている人やダンスやSNSで発信をしている人など、生産的活動は誰かの助けになっているはずです。生産的活動をするにあたっては、自身の個性を最大限発揮する必要があり、いわばこの社会に関わっているすべての人は大小問わずヒーローとしての資質を備えているはずなんです。個性的なメンバーを描いた本作は、みている人の生産的活動の背中を押してくれているのではないでしょうか。
ヒーローだって救われていい
この作品で一番刺さったのは、ヒーローだって救われるっていうことを描いてくれたところです。ヒーローの闇落ちシーンがあって、凹んでどうしようもない時がある。でもそんな時に、今度はヒーロー自身が誰かに救ってもらえる。今までやってきたことが返ってくるタイミングがちゃんとある。助ける側がずっと強くいなきゃいけないわけじゃない。
自分の役割を全うしてきたからこそ、困った時に周りが手を差し伸べてくれる。私の好きな言葉「情けは人のためならず」が体現されていて素晴らしいです。端的にいえば「見返りのために自分から行動する」という原理だと解釈できますが、そもそもボランティア精神オンリーで成り立つものなどはこの世にはないと考えています。心の充足や、新たな経験を求めて人助けをするといったように、人間には元来見返りを求める本能が備わっています。現代では金銭がわかりやすい見返りの指標として存在しているだけなんです。
人間は報酬を感じられなければ継続できない本能だからこそ、自分の理想像や他者貢献という目的があることで、ヒーローであり続けることを自然と許容できる描き方になっています。すばらしいね。
まとめ
自分も様々なコミュニティに属して、自分の才能の無さに呆れ返ってしまう瞬間が多々あります。ダンスでも仕事でも、才能の無さを補おうと努力するんですけど、そもそも自分の向き不向きっていうところに目が向けられていないことがあるんですよね。不向きなものに対して努力することは美しいけれども、それって本当に自分の役割なのか。
私の場合、こうやって言語化する能力だったり、コミュニケーション能力だったり、そこが自分の役割として全うすべきところなんだと最近は感じています。だから下手にリーダーを気取るわけでもなく、下手に先輩を気取るわけでもなく、話を聞くようにするとか、自分の主張を嫌味なく伝えるとか。まだまだ足りてはいないものの、そこに自分のヒーロー像がある。
競うことが正しいわけじゃないし、決して誰かと同じ役割を奪い合う必要もない。この時代だからこそ、自分と同じ生き方をしていない人間を軽蔑することはもうできませんよね。自分の役割を見つけて全うすること。それを全力で肯定してくれるのが、ひろがるスカイ!プリキュアです。
具体的な回をピックアップして紹介したかったんですけど、本作は全体を通してキャラクターの成長や苦悩を時間をかけて描いてくるので、ピックアップができない。通貫して見てください。お願いします。
ちなみにキュアスカイの必殺技「ヒーローガール・スカイパンチ」。これがマジで必見です。ただのパンチなんですよ。シンプルイズベスト。アンパンマンのアンパンチを彷彿とさせるようなストレートさなんですが、ビジュアルがめちゃくちゃかっこいいし、もうそれ一つで解決できるっていう説得力がある。ちなみに「スカイパンチ」って、空(スカイ)とパンチ(殴る)をかけてるのと同時に、気象用語で雲に穴が開く現象(スカイパンチ)のことも指していて、このネーミングセンスだけでもうやられました。
第2位:Go!プリンセスプリキュア

夢への没頭をやめてはいけない。あなたの想像が現実になる。
この作品は「ザ・夢」です。夢を追うとはどういうことか、夢の前に立ちはだかる障壁や困難にどう向き合うか。プリキュアシリーズの中でも、夢というテーマにここまで真正面からぶつかった作品はないと思います。
主人公の春野はるか(キュアフローラ)は「お姫様になりたい」という夢を持っています。しかし、その夢に対して幼少期に笑われたことがトラウマとしてはるかの中に残ります。そりゃそうです。お姫様って職業でもないですし、日本では役職でもないです。笑われるでしょう。私も最初に見た時、「こいつは何を言ってんだ? 夢が抽象的すぎるだろ?」とさすがに主人公のマインドにキツさを感じていました。夢や目標を叶えるには具体的なアクションプランを設定すべきだというのは自己啓発界隈での常識です。
そんな否定的な入りから、最終話まで完走した私のマインドはこうなりました。
自分ははるかのように夢に対して本当に没頭できているのか?
YouTuberやInstagrammerが飯を食えるようになったこの時代、昔は職業になんてなり得なかったものが、今では立派に社会貢献してるものってたくさんあるじゃないですか。夢を笑うっていうのは、そういう可能性を潰すのと同じことだと思います。
夢への没頭力
Go!プリンセスには、よくある夢にひた走る描写や夢に迷う描写もあります。ですが、本当にやばいのはそこじゃないんです。夢への没頭力なのです。
みなさんの中にもこういうことがしたいとか、こうなりたいという大雑把なイメージがどこかにあると思います。そこに対して努力している人もいると思います。ですが、そこに対する気持ちの強さはいかほどでしょうか。夢や目標があるのにもかかわらず、くだらない飲み会で馬鹿話をしたり、気づけばSNSやショート動画を見てしまっていることはありませんか。これは何を隠そう、私のことです。
夢に向かってひた走ることにどこか恥ずかしさすら覚えてしまう。人に夢を公言できない自分がいる。夢を見ているだけの状態なのではないかと。本作品のメンバーたちは、とにかく夢に向かって努力と研鑽を重ねてグランプリンセスという最高位のお姫様を目指しており、そこまで没頭できるなにかが自分にあるのかを問いかけてくるような作品です。
夢に没頭すればするほど、苦悩は大きくなっていきます。自分が夢だと思っていたものが他人の描いた理想だったと気づくシーンがあったり、本当に自分はこれでいいのかと自問自答するというよくある流れに加えて、それが自分のやりたいことかさえ不明確なシーンがあったり、これらの描写はリアルすぎます。夢の優先順位をどうするか、夢が途中で変わること、そして夢より大事なものが見つかること。さらに言えば、プリキュアになれなかったキャラクターもいて、そのキャラがどういう立ち位置で自分の役割を果たすのか。夢を自分で追うのか、誰かの夢を応援するのか、夢を形にしていく係なのか。夢への関わり方は一つじゃないんだっていうことを見せてくれます。
夢と絶望は表裏一体
敵側も夢を利用して人を絶望させるという構図ですが、そもそも夢を抱いてひた走ることは絶望とセットです。頑張った分の見返りはもらえるとは限りませんし、基本的には失敗続きです。夢と現実の乖離を目の当たりにした時に人は絶望します。ゆえに夢と絶望は表裏一体なのです。
ここで語りたいのが最終回『はるかなる夢へ!Go!プリンセスプリキュア!』でのラスボスとの対話。
これがもうやばすぎる。はるかは絶望の象徴であるラスボスに対して「ここまで辛いこともあった。だけど、それは消せやしない。消したくない。」と言い放ちます。「今は消えてやる、だがまた現れるかもしれない」というその絶望に対して、はるかは笑顔で「ごきげんよう」と返す。いや、やばすぎるでしょ。
プリキュアが敵をただ倒すんじゃなくて、「あなたの言いたいことも分かる、そこは受け入れる」と。相手の立場すらも否定せずに、対話の道を選んだ。これまでのプリキュアシリーズの中で対話で終わる展開はあるものの、また再び現れるかもしれないという状況を残しながら、それでも前へ進もうという展開は食らいすぎました。「強く優しく美しく」を標榜する本作のオチとしてはこれ以上ないと感じました。
まとめ
否定したくなる気持ちも分かります。「いやいや、夢って言われてもねぇ?」「自分はもう夢なんてないよ?」とつい言ってしまうかもしれません。本当にそうですか? あなたの中にも漠然と抽象的にこうなりたいなぁとか、こうしたいなぁが全くないのでしょうか? 仕事を極力やらずに収入を上げたいとか、ダンスの練習は極力せずにバトルに勝ちたいとか、女にモテたいとか。現実味を帯びてないけどやってみたいことあるんじゃないですか? それを夢と言ってもいいのではないでしょうか。
確かに非常識なことを追い求めることには気が引けるかもしれません。ですが、自分が夢に没頭できないことを言い訳に、夢を追っている人を小馬鹿にしていい理由にはなりません。いつまで冷笑界隈に属してるおつもりでしょう。冷笑界隈が一番冷笑されていることにいつ気がつくおつもりでしょう。
ちなみに本作王子様キャラのカナタ王子。こいつの存在は許してはいけません。なんなん? こいつ? 人の夢を壊すな。立ち去れ。伝え方の問題だったとか後出しで言ってんじゃねぇよ。あとはなんといっても変身シーンで着地した瞬間花びらが舞う演出はめちゃくちゃかっこいいです。
番外編①:ふたりはプリキュア

史上最強のふたり。原点にして頂点。
プリキュアのランキングを語るのに、この作品に触れないわけにはいかないです。ただ、認知度が高くて見てる人も多いからこそ、今回はあえて番外編として扱わせてもらいます。
「戦う女の子」というジャンルを作ったチャレンジングな作品。それだけで評価に値します。学園生活、友情、恋愛、そしてバトル。今のプリキュアシリーズに続くテンプレートを全部この作品が作りました。ちなみにプリキュアの認知度だけじゃなくて、ラクロスという球技の認知度を上げたのもこの作品です(適当)。
「ふたり」というタイトルを素直に回収していくのが本作の一貫している部分だと感じています。学校は一緒だけどグループは違う二人がプリキュアを通して時には喧嘩もしながら助け合いリスペクトを持って距離感を縮めていくあの感じは、まさにダンスを通じて人とのつながりが広がっていく感覚と重なります。ダンスしてなかったら明らかに仲良くならなかったであろう属性の人たちと、目標を同じくして一緒に切磋琢磨していく感覚があるからこそ、個人的には納得感のあるストーリーです。
番外編②:ふたりはプリキュア Splash Star

自然と人間のつながりを美しく手に取りやすく描く。
この作品は当時かなり不評でした。正直、前作のふたりはプリキュアの焼き直し的なところが多いので「前ので良くない?」ってなる気持ちを抱きながら見ている人も多かったとかなんとか。気持ちは分かります。分かるんですが、この作品は見れば見るほど自我の強いシリーズだったと後から思わされます。
本作は自然哲学の五行思想(木・火・土・金・水)をベースにしたテーマに、精霊をモチーフにした世界観がすごく良いです。万物に精霊が宿っているというのは、日本人ならどこか馴染みやすい八百万の考え方をうまく入れながら、プリキュアや敵の立ち位置を明確にしています。そして個人的に刺さっているのが、何気ない自然の描写。山間や大樹、江ノ島電鉄モチーフの背景に海が広がるあのビジュアルなど、その当時のイラストでありながら、美しさを正面から感じられます。
設定だけ見ると固そうなイメージですが、唐突にくるギャグの切れ味はスマイルプリキュアに匹敵するレベルだと思います。満と薫とかいう敵だけど味方、されどもプリキュアではないという立ち位置を確立したのもでかい。
不評の影に隠れてしまった名作です。マジで超おもろいから観てほしい。
第1位:ハートキャッチプリキュア

あなたの心にも、花が咲いている。
ハートキャッチプリキュアの世界では、全ての人間の心の中に「こころの花」が咲いています。花の種類は一人ひとり違って、その花言葉がその人の人柄や感情を表している。敵はその花を奪うことで人の心を壊し、怪物を生み出す。つまりこの作品は毎話、誰かの心の悩みやコンプレックスが「花」という形で目に見えるものになるんです。
これがなぜ1位なのか。
私は普段の仕事柄どうしても物事を合理的に考えてしまい、つい生産性を語ってしまうきらいがあります。ダンスでも、感情より論理で動きがちで成果を一番に考えてしまいます。でもハートキャッチプリキュアを見て気づかされたのは、言葉にできない感情と向き合うことの重要性です。また、その言葉にできない感情をあえて言葉にすることも同じくらい重要だということも教えてくれます。
「自分は今こう感じている」ということを伝えるのは、かなり難しいことです。100%正確に伝えることなんてできない。だからこそ、伝えることに日和ってしまう自分がいる。でもハートキャッチは、感情を花言葉という形で具体化して見せてくれる。「信じる心」「家族の幸福」「謙虚」——毎話キャラのこころの花が語る花言葉は、その人が今何を大切にしていて、何に悩んでいるのかをたった一言で表現している。
感情の言語化が難しいからこそ、伝えることを諦めてしまいがちだけど、やっぱり伝えて、理解してもらう努力をするべきなんだと。ハートキャッチプリキュアはそれを教えてくれた作品です。
こころの花が映し出す感情
この「こころの花」の仕組みがどう機能しているか、2つだけ例を挙げます。
第11話『アチョー!!カンフーでパワーアップします!!』。カンフーに熱心なクラスメイトの酒井くんが、体育の柔道で負けたことをきっかけに「自分はカンフーなんてできない」と折れてしまう。弟から絶大な信頼を寄せられていたのに、その弟の前で恥をかいてしまう。でもその弟が敵に襲われた時、酒井くんは素手でデザトリアンに立ち向かう。弟のよしとのこころの花はジキタリス、花言葉は「熱い想い」。大好きなことで負けて自信をなくしても、近くにいる人のリスペクトを感じて再び動き出す。大人になった今だからこそ忘れちゃいけない「熱い想い」です。
第29話『夏、ラストスパート!私のドレスできました!!』。クラスメイトのゆうきが京都から東京まで自転車で走破する目標を立てるが、途中の坂道が辛すぎてバスに乗ってしまう。ゴールした時にみんなから称賛を受け、正直に言えなくなる。ブロッサムが「本当にダメなら嘘をついたことで悩まない」と言い切る。こころの花は菜の花、花言葉は「元気いっぱい」。嘘なんてつくな!と言いますが、つきたくなくてもついてしまうことってありますよね? また、嘘をついた過去の自分からもっと良くなるために再び自転車での走破を試みることを宣言します。そのリアルさが響きます。
どちらの回も、自分の感情に正直になれない人間の弱さを描いている。そしてその弱さを「花言葉」というたった一言で可視化してくれる。これがハートキャッチプリキュアの凄さです。
自分の弱さを受け入れる
そしてこの作品の個人的集大成が、第38話『プリキュア、スーパーシルエットに変身ですっ!!』です。
主人公のキュアブロッサムが最後の試練に挑む回。試練の中で、かつてのシャイで引っ込み思案だった自分と向き合うことになります。影の存在から「お前は変われていない」と突きつけられる。ブロッサムは「変われた」と反論するが、かなわない。
ここで普通なら「弱い自分を倒す」展開になるんですよ。でもブロッサムはそうしなかった。弱い自分を否定するのではなく、受け入れることで試練を乗り越えた。
自分のイヤな部分を変えるのではなく、向き合って一緒に成長する。
これがこの作品の答えです。
私自身、いまでこそダンスで人から認めてもらえたり、仕事で成果を上げて収入を得ています。結果だけみると能力がありそうな雰囲気ですが、昔は違いました。勉強は全体で中間ぐらいの成績。運動は体力テストでは最下位付近をうろうろ。コミュニケーション能力皆無なうえ人見知りも常時発動。その割に内弁慶で家族には横柄な態度をとっていました。振り返りたくないほどおぞましい闇の期間でした。ですが、そんな自分の過去があったからこそ変わりたかったんです。誰かの役に立ちたかったんです。認めてもらいたかったんです。そんな自分が過去に居たことを受け入れて、弱い自分が常に自分を見張っていると思ったからこそ、努力と習慣でここまでやってきたんです。ゲームの攻略をするかのように、過去の自分と比較して次はもっとこうしよう、次はこの装備でいこうとステップバイステップを重ねた結果なんです。
まとめ
ダンスでも仕事でも、人と関わるコミュニティに属している以上、感情面から逃げるわけにはいかない。合理性だけでは人は動かないし、自分自身も合理性だけでは生きられない。人はその人の感情的ストーリーでしか動かないということです。
「人の感情なんてわからないよ」「感情的な人間は話にならない」と昔の私なら思っていました。今でも人の感情を細部まで理解するのは難しいと感じています。ですが、自分に感情があることは理解できています。そして、その感情を作ったのは間違いなく他者の感情なのです。自分の感情と向き合うことで、他者の感情も初めて理解できる。仲間のダンスを見てかっこいいと感じるのも、仕事を楽しめているのも、人の感情が起因して自分の感情が生成されているからではないでしょうか。
ハートキャッチプリキュアが1位なのは、この作品が「感情と向き合え」と言ってくれたからです。
正直まだまだピックアップしたい回はあります。語りきれません。いつきとさつきの関係性や、ゆりさんの過去回想、サバーク博士やダークプリキュアなど、見どころ多すぎます。
最後にハートキャッチプリキュアの花咲つぼみの名言を残しておきます。
私が私らしくいられるためには、ちょっと臆病な私も必要なんです。だから私は、シャイで引っ込み思案な私も大好きです。
記事まとめ
気がつけば本記事はとーやの備忘録の記事史上最長文字数になっていました。15,000字も誰が読むねん。読みきるのにかかる時間80分ってなんやねん。プリキュアの映画より長いぞ。
いやね。一つの記事でシリーズのランキングで細かくまとめるなんて無理がすぎます。各シリーズに対して1,2話ピックアップしましたけど、正直足りません。他にも考察しがいのある良回がたくさんあります。各シリーズで1記事はもらわないと無理ですわ。ですが、言語化に限界を感じるほどのプリキュアの熱量は伝わったのではないでしょうか。
みなさんにプリキュアの視聴を強制する気は一切ありません。あなたがプリキュアを見ていようがいまいが、私はプリキュアを見続けてなりたい自分に近づいていくだけなので。ですが、あなた自身に言語化に困るような漠然とした悩みや不安があるのなら、試しに数話視聴していただくのもいいかもしれません。流し見で結構です。音声で聞くだけでも良いです。最初は子供騙しのように感じるかもしれません。その感覚も受け入れてください。見続けていくうちにどこかで心に届く言葉や描写が出てくるはずです。そのシーンについて、自分はどうなのか?と考える時間が少しでもできたのなら、プリキュアの役目は果たせているのではないでしょうか。
プリキュアの視聴でおすすめ
プロが作ったコンテンツにこんなに偉そうに語ってしまっていますが、私自身、一周しかできていない作品も多いです。より多く見て更なる考察を社会に転用できるよう努力してまいります。
プリキュアシリーズの視聴には私はU-NEXTを使っています。歴代シリーズがほぼ網羅されているので、気になった作品からすぐに見始められます。31日間の無料トライアルがあるので、まずは1作品試しに見てみてください。
ここまで15,000字を完走したあなた、すでに大友の素質があります。はやくこちら側においで。
最後までご精読いただきありがとうございました!

コメント