リズム強化にはアウトプットしかない【2025年3月レッスンログ】

こんにちは!とーやです!

3月のレッスンにご参加いただきありがとうございました!今回は『とーや的リズムワーク強化』と題して、私が考えるロックダンスで意識している「リズム」の生み出し方やリズムの塊となる「リズムワーク」を軸にレッスンさせていただきました!

話しは逸れますが、『太鼓の達人』という音ゲーを皆さん一度はやったことがあると思います。ある日、私はこの”タイタツ”で親友とスコアを競うことになりました。親友はダンスはもちろん音楽経験もゼロの人間だったため、正直勝負は見えていました。結果は私の惨敗でした(泣)。それはもうひどいのなんの。ノルマは当然未達。そのとき、親友から「とーやってダンスしてるのにリズム感無いんだね」と嘲笑われました。私は涙を堪えて「俺は人が決めたリズムのレールを走らねぇ(震え)」と捨て台詞を吐いたことを今でも覚えています。

ロックダンスをやっている以上、逃れることのできない「リズム」という存在については、世間では「リズム感」とも呼ばれて、一種の才能のように扱われることがあります。ですが、この「リズム感」は日々の訓練で十分に強化できます。日々の訓練とは特に「効果的な”アウトプット”を意識する」ことです。”アウトプット”を繰り返すことで確実にリズム感は定着して、魅力的なダンサーに近づくことができるのです。

親友に惨敗した私は、その後、「1日1タイタツ」という標語を胸に毎日自宅近くのゲーセンで練習を重ねました。そして、たまたまやってきた親友との再戦の日。曲は”夏祭り”で難易度は”おに”を選択。結果は私の勝利でした。親友からは「おー!うまくなってる!」と軽めのコメントを貰い、若干の物足りなさを感じながらも、今回の勝利は自身の才能ではなく、明らかに”アウトプット”を意識した練習によるものだと私は確信しました。

本記事では、私が意識している「リズムワーク」の生成方法から、何故、”アウトプット”が重要であるのかを、実体験をもとに書き殴っていきます。

目次

リズムワークで抑えておきたいポイント

規則的なリズムの波にちょっとだけ不規則な波形を注入すること

リズムワークで抑えておきたいポイントを説明する前に、そもそも「リズムワーク」とはなんなんですかという話から入っていきます。本記事における「リズムワーク」とは、”自身が一定の規則性を持って表現するリズムセット”と定義します。個別のリズムが一定のルールに従って一つにまとまった塊になるようなイメージです。俗に言う”リズムトレーニング”は、一定ルールの中で色々なリズムをひとまとめにする練習方法と言ってもいいでしょう。

よって、単順に8ビートや16ビートに延々とノりつづけることが、優れた「リズムワーク」とは言えないことを、熱心な読者様ならご理解いただけることでしょう。そんなもん誰だってできるじゃん。では「リズムワーク」で求められているものはなんなのでしょう?それはズバリ、”コントラスト(対比)”です。例えば、今あなたの目の前にドーナツが100個あるとします。その中の1個が誰かにかじられていることに気づいたあなたは、たくさんあるドーナツの中でかじられた1個にどうしても目が行ってしまいます。この状態が”コントラスト”の影響です。例えば、女性専用車両に急におじさんが入ってきたら、意識したくなくてもおじさんが気になりますよね(間違って乗っちゃう気持ちもわかる)。

周りと違うものがあると違うものに意識がいってしまうソレ

この”コントラスト”の効果は、リズムワークを考える上では有用な手段だと考えています。リズム全体の規則的な波の中に不規則な波形を注入することで、不規則な部分が”コントラスト”となりわかりやすく強調されます。極端な例で、4×8カウントで踊る場合を考えます。基本は8ビートでノっている状態で、最後の4カウントだけを16ビートにすると、見ている人は「最後に駆け抜けていくように踊ってるなぁ」という印象を持つことでしょう。これは、踊りの大半が8ビートだったのに、一瞬だけ出てきた16ビートが”コントラスト”になって印象に強く残っているためです。当然シルエットだったり、音楽だったりで与える印象は変わります。ですが、ここまで極端なリズムワークの場合、見ている側がその変化に全く気づかないということは考えづらいです。

”コントラスト”を用いるうえで注意してほしいのは、不規則な波を加えるときはほんの少しで留めておくということです。最初から最後まで不規則なリズムで踊り切ると強調するポイントが見ている側に伝わらないため、本人は一生懸命面白いことをやっているのに「なんかごちゃごちゃしてたね(笑)」となりかねません。また、規則と不規則が半々の場合でも、やっぱりどっちつかずな印象がぬぐえません。理想は不規則が全体の2割程度になるようにとどめておくのが良いでしょう。

ここで、ロックダンスにおける「リズム」の立ち位置を明確にしておきましょう。ロックダンスの「リズム」は人間で言うところの「脈拍」と一緒だと思ってください。形式化が強く、様式美も重視されるロックダンスでは、見た目の表現には限界があるため、リズム(脈拍)に変化をつけずにダンスに色を付けていくことは至難の業です。ロックダンスにおいてリズムを軽視するというのは、脈拍を軽視するということと同義です。リズムを使わないということは人間で言うところの死んでいるのと一緒と言ってもいいのです。ゆえに、コントラストの効いたリズムセットを用意する必要があり、ロックダンサーは「リズムワーク」からは逃れられない運命なのです。

リズムワークをアウトプットするべき理由

「考える」は実は何も考えていない

ここまで、私の意識する「リズムワーク」の考え方をお伝えしました。それでは皆さんも、実際に”コントラスト”を意識して独自のリズムで踊ってみましょう!はやく!さぁはやく!

ここで、「いやちょっと待ってくれよ!考えてからやってみるから!」と思ったあなたへ。

いま、あなたはなにも考えていません(真顔)

急に怖かったですね。ごめんなさい。でも悪気はありません(真顔)。

皆さんに聞きたいです。ここまで記事を読んであなたは何を考えたんですか?私が提示した内容の真偽ですか?それとも方法ですか?残念ながらそれは考えたうちに入りません。あなたはなにも考えていません(しつこい)。

「考える」というのは、過去を分析して現在の行動に起こして未来を予想することを繰り返す行為です。

例えば、私が友人に惨敗した後、タイタツを猛練習していたときでいうと、

タイタツで負けたのは正確に譜面を覚えていなかったからだ!(過去)

じゃあ1日1回タイタツを練習して譜面を覚えよう!(現在)

そうすれば、スコアが上がってあいつに勝てるかもしれない!(未来)

てな具合で「考えて」おりました。

そして、このループの起点は「現在の行動」から成り立ちます。例えば、あなたが「車の免許が欲しい!」と思ったとします。そのために、日本の道路交通法を鬼のように勉強して、YouTubeなんかでドライビングテクニック動画を鬼のように見たとします。あなたは車が運転できるようになっていますか?ほぼ無理ですよね?教習所に通いながら、場内で実際に手と足を動かして初めて運転技術を身に着けるはずです(よい子の皆はそのはず)。坂道発進で後退しちゃったり、S字クランクで脱輪しちゃったら、隣の愛想の悪い教官が姑のごとく悪かった箇所を指摘してきます。その失敗が練習するという行動を生み、次の教習で上達していくという繰り返しを経て、やっと試験に合格できるレベルに達するのです。現在の行動として、アウトプットすることが無ければ分析対象となる過去も、予想されうる未来も存在しないのです。

リズムワークにおいても、リズムについて考えたり、音楽を聴きこんだりするだけではなにも進歩しません。特に自身の想像性を求められるリズムワークにおいては、実際にやってみて音楽に合うのか、他者からの反応はどうなのかを実践して感じ取る必要があるのです。

要するに、方法の如何ではなく、実行の如何である。

本多静六「私の財産告白」より

この言葉は、要するに「どうやるか」ではなく、「やるかどうか」であるということをストレートに示してます。痺れませんか?まずはやってみて体感することが重要という言葉なのですが、これはダンサーの皆様にも十分に伝わる言葉なのではないでしょうか。

良い方法や効率的手法というのは、実行してはじめて見えてくるものです。「考える」というのは、行動を保留するための言い訳にすぎません。要するにあなたはビビってるんです(笑)。一旦考えるのは止めにして、まずはトライしてみましょう。大丈夫、死なないから。

今すぐできるアウトプット実践法

アウトプットは言語化から始めてみよう

「アウトプットをしよう!」とは言うけど、全くのインプットが無い状態では当然アウトプットもへったくれもありません。ダンスの「ダ」の字も知らない人に「ロックやってみてよ!」と言ったところで、ロックバンドを組まれるのが関の山でしょう。インプットとアウトプットのバランスは3(インプット):7(アウトプット)が黄金比だと言われています。例えば、1時間のダンスレッスンを受けたら約2時間半はアウトプットに費やすべきなのです。受けたインプット量の2.5倍程度の量でアウトプットしなくてはなりません。

学業の分野でよくいわれているのは、教科書を普通に読むよりも、例題や問題集に着手して自分の理解している部分とそうでない部分を知ったうえで、教科書を読むほうが、定着率が格段に違うと言います。ただ漫然とインプット受けても頭は何が重要な情報なのかを判別できないため、結局なんの情報も受け取らずに時間を過ごしてしまうそうです。

こうやって、アウトプットの話をすると、高確率で「たくさん練習してます!」という人が現れるのですが、その人の言っている「たくさん練習する」とは、具体的になにをどのようにどれくらい練習しているのか、私はとっても疑問です。練習は考えてするべきであり、「考える」とは先述のとおり、過去を分析して現在の行動に起こして未来を予想することなので、そのうえで現在の練習という行動に移す必要があります。ダンス練習の悪いところは、身体を動かすと疲れるので、”練習をやった感”が出てくるところです。何も考えず、漫然と練習することは”アウトプット”ではなく、ただの”趣味”です。

「そんなこと言われてもリズムをどうやってアウトプットすればいいかわからないよぁ(´;ω;`)」という人は、以下に掲げる二つの方法を騙されたと思ってやってみてください。なんだか胡散臭さもありますが効果は絶大です。

1.リズムを言語化して紙に書き出してみる
「ダンスなんだから紙に書き出してなにになるのよ?」と思ってしまうことでしょうが、落ち着いてください。先述のとおり、行動することで初めて人間は過去や未来を頭で考え始めるのです。一旦、どういうリズムでダンスしたいかを紙に書き出してみましょう。そのとき、上手く言語化できなくても結構です。擬音を使っても大丈夫です。とにかく、自分の考えを紙に書き出して”アウトプット”を始めることでやりたいことが形になっていくのです。紙に書き出すことで、教えてもらったことや自身の考えていることが整理されます。また、練習すべきことややらなくていいことが明確にもなります。さらに、擬音を書き出すことでリズムが可視化されてわかりやすくなります。これに関してはやってもらわないことには効果を実感できないので、まずは一週間試してみてください。

2.誰かに自分の好きなリズムを説明してみる
”誰かに説明する”ということで、「相手に適当なことは言えない…」という緊張感が生まれます。情報源を精査してアウトプットを慎重にしようと思考を深めるようになります。誰かに説明するうえで注意していただきたいのは、完璧を目指さないことです。現時点での自身の知識や技術を用いて可能な限りの説明をすることで、不足している点が見つかった場合は次への改善につながります。
まずは等身大でいいので、ラフに仲間に説明できるようになるといいですね。誰かと練習するときはセッションもいいですけど、一緒に鏡を見ながら好きなものをプレゼンするのも悪くないのではないでしょうか?

以上の二つはどちらも言語化的な”アウトプット”方法です。色々な方法はありますが、言語中心にアウトプットする方法は、どんなものにも、どんなときにも使える普遍的な方法なので侮ることなかれ。と、ここまで言っても「ダンスの上達にはダンスの練習をすれば良い!」と思う強気な人もいらっしゃると思います。ある程度のラインまではその通りだと思います。ですが、自分の成長に頭打ち感を覚えている方にこそ、言語化の威力を感じてほしいです。言語化すらできないのに、どうして、言語より解像度の低いコミュニケーションツールであるダンスで「考える」ことができると自信をお持ちなのでしょうか?

たまに、いろんな人のレッスンを受けて、ナンバーをたくさん掛け持ちしているダンサーさんを目にします。一見「努力家」のように見えますが、そういう人は、教えてもらっている2倍以上の時間をかけてアウトプットできているのでしょうか?もしそれができていないのであれば、払っている時間とお金が無駄になっているんです。もちろんダンスを人とのつながりや、楽しさだけで臨んでいる人もいると思いますが、少なくともお客さんにお金と時間を払ってもらう以上は、相応のパフォーマンスを披露する義務はあるではないでしょうか。その義務を果たすためにも、”アウトプット”への重点をしっかりおくべきです。

まとめ

今回は「リズムワーク」の考え方から出発して、”アウトプット”の重要性と実践方法をご紹介させていただきました。

〇リズムワークは”コントラスト(対比)”を意識してみよう
規則的な波の中に、ほんの少しだけ不規則な波形を注入する。

〇リズムワークを「考える」はアウトプットから始まる
実際に手足を動かしてみて、分析や予測を立てて改善していくこと。

〇言語化的アウトプットで頭を整理する
紙に書いたり、人に説明したりすることで自分の不足していること、やるべきことがクリアになる。

ここまで偉そうに言ってる私自身もまだまだ成長の過渡期です。よりよい人生が送れるように、ひたすらアウトプットに打ち込んでいます。このブログだって自分のアウトプットのためにやってるんですよ(その延長で皆さんのお役に立てているなら幸いです)。読んでいただいた人全員に、私の考え方を全肯定してほしいなんてことは思っていません。ただ、今のやり方で伸び悩んでいると少しでも思うのなら、そのやり方は変えないといけないかもしれません。別にアウトプットじゃなくても、言語化じゃなくてもいいのです。「考える」ことを止めずに、でも適度に休みながら、明日のちょっぴりカッコいい自分になれてたら最高じゃないですか?

ご精読いただきありがとうございました!

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